2011年7月16日土曜日

いったいどういう・・・

高濃度の放射性セシウムが検出された稲わらを食わせていた肉牛の出荷が続々と明るみに出てきた。牛についてはBSE問題の時にトレーサビリティ・システムを構築したのだが、今回はそれが生きた。このシステムがなければこれだけ短時間に流通網を把握できなかったはずで、不幸中の幸いであった。

農水省は「想定外」であったとしているが、全く想定外の事態だといっていい。まさか、昨秋に収穫した稲わらから、高濃度の放射性物質が出るとは誰も考えないだろう。

いったい、どのような形で稲わらを保管していたのだろうか?稲が収穫されたのは昨秋である。稲わらがそのまま水田に放置されていたとは考えられない。ロールベーラーで丸めておいても、何回も雨に当たったのではエサと言える状態ではなくなってしまうからだ。ニュースでは「3月11日以降に収穫した稲わら」などといっているが、私の常識からいえば「そんなことあるわけない」と思う。しかし、実際はあるのだろうか?そして、そんなワラを粗飼料として与えている肉牛農家がいっぱいいるのだろうか?

いずれにしろ、このように続々と出てくるのではどうにもならない。県がワラの保管状態を解明する必要があるだろう。家畜保健所の職員は今頃大わらわだ、たぶん。

当分、福島産の牛肉は敬遠されるであろう。このような事態になってしまったのでは、消費者としては当然の行動である。すでに肉からセシウムが検出されているので「風評被害」ではない。

セシウムは、比較的早く体外に排出されるから大きな心配はない、という報道があったと思う。無論、人間の話であるが、牛でもそう変わらないであろう。であれば、当面は、肥育期間を延長し、放射性セシウムの水準が下がるのを待つぐらいしか手がないのではないか。一文にもならずにつぶすよりはましなはずだ。イヤ、しかし、体外へ排出されるまでの間被爆するわけだからまずいのか・・・もうひとつよくわからない。

牛は売れずにエサ代は毎日かかる。東電は、一刻も早く積算し、賠償を行わなければならない。また、国は一刻も早く無利子の資金貸付を行うべきである。これは、時間との勝負である。早くやってもらいたい。

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