2011年9月8日木曜日

三重県津市に来ている。
某学会の研究大会があり、それに出席するためだ。




この地域にきたのは何年ぶりだろうか?2005年の秋にモクモクに来た記憶があるから6年振りか。といってもフラフラ、ウロウロ歩いたのはほぼ40年ぶりだ。

今から39年前、1972年、ワシは中学2年生だった。その年、ワシは鉄ちゃんになったのだった。9月の連休、同級生に誘われ理科の久保先生に同行してもらい野辺山へ。そこで写真を撮ったSL、C56の姿に引き込まれてしまった。

1972年は新橋、横浜間に鉄道が開通して以来100年で、各地でイベントが行われ、10月には地元の総武本線でC57の1号機が走った。現在、京都梅小路機関区で動態保存されている機関車である。
ワシらは、総武本線の物井と佐倉の中間にあるトンネルのところで待ち構えて写真を撮った。その翌日、C57は東海道線を走った。ワシらは六郷鉄橋のそばのマンションに上りカメラを構えた。

そんなことで、すっかり鉄ちゃんになってしまったわけだ。まあ、SL限定ですけども。

冬を迎える頃、カメラを買った。初めての自分のカメラ、一眼レフである。
当時の一眼レフは高い。名の通ったカメラの中で最も安いのは「アサヒペンタックス」。ニコンF2とは言わなくても、ニコマートFTnなんかがほしかったのだが、手が届くのはここまでだった。ASAHI PENTAX SP、55mm/1.8付きブラックボディ、4万5千円だった。長年お年玉を貯めた郵便貯金を全額解約して買った。シルバーボディよりも1000円高いブラックボディにしたのは、ささやかな贅沢であった。

カメラを買えば写真を撮りに行こうと思う。当たり前である。
同級生たちは北海道に行こうと言った。しかし、私はその年の半ばまで腎臓病で体育を休んでいた身である。寒いところは腎臓に悪い。親が許すはずがない。

そこで、一計を案じ、まだ鉄ちゃんではないハガ君を誘って関西方面へいくことにした。

自分で企画した初めての旅行だった。中学2年生二人で夜行列車に乗って関西へ行くのである。今思えばかなり大胆だったし、親もよく許したと思う。しかし、この旅行で得ることはいっぱいあった。旅行の企画、宿への予約など初めての経験だらけで、成長のきっかけになったことは間違いない。

で、行った先が関西本線と紀勢線、参宮線なのであった。
ワシらは松阪のユースホステルに泊まり、SLの写真を撮りに行った。

その頃の三重県亀山は何にもない田舎町であった。今でこそシャープの液晶テレビ「亀山モデル」で有名になったけれど、当時はモロに田舎の駅で、目立つものと言えばでかいローソクのモニュメントだけだ。「カメヤマローソク」と書いてあった。その時初めて亀山がローソクの生産地であることを知った。

その亀山駅でD51の発車シーンを撮影した。PENTAXを買ってから初めてまともに撮ったSLの写真であった。煙がものすごく上がって迫力があった。写真はややピンぼけだったが、初めてにしてはなかなかの写真が撮れたような気がする。D51は門デフの499号機であった。

今日、宿に着いてから外に出て県庁の方までぶらぶらと歩いた。
護国神社の向かいに偕楽公園という公園があった。そこに蒸気機関車が展示してあった。そばに寄ってみるとびっくり、あの499号機だったのである。門デフも当時そのまんまであった。





いや、しかし、懐かしかった。40年近く前だが当時のことがリアルによみがえってきた。
いつか、古い写真も載せようと思うが、とりあえず本日撮影したものを。

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