賛否両論あるようだが、私の感想は「うーむ・・・」という感じだった。
宮崎監督は直截な表現がイヤなのかも知れないが、ラストを迎えたとき「え、これでおしまい?」と思ったのも事実。私が単純なだけなのか、ものを知らないだけなのか・・・。
別に零戦の絵がもっと欲しいとか、戦闘シーンが欲しいとかではないけれど、あれではワシより戦争を知らない人々にどう受け取られるのかと考えてしまった。
もう一回見た方がいいかな?
数年後、どのように評価が定まっているかが楽しみではある。
戦争をテーマとした映画では、数年前に見た「夕凪の街 桜の国」は良かった。
こちらも戦闘シーンは一切なし。だが、原爆の悲惨さを見事に描いていた。
原爆症で切なく死んでゆく麻生久美子が良かった。
その弟(堺正章)の娘を演じる田中麗奈、その同級生の中越典子も良かった。
是非見ておくんなさい。
数ヶ月前、バーゲンでDVDを買ってしまった。
実は、ワシも原爆には無関係ではない。
1999年に100歳で亡くなったワシの母方の祖母がいた。
なかなか厳しい人であった。東京は谷中の出身で医者の一家であった。
その兄角尾晋は、当時長崎医科大学の学長であった。
その晋おじさん(註:もちろん母のいい方)が、原爆のほとんど直撃を受けて亡くなっているのだ。
子供の頃、母に何遍も聞かされたことだが、東京出張中だった「晋おじさん」は、帰路、広島で(原爆被害により)鉄道が不通のため、広島を徒歩で横断し、長崎へ帰った。
8月9日の午前は、爆心からわずか数百メートルの病院で回診中、真後ろからまともに熱線を浴びてしまったという。
「あのとき広島で引き返してればねぇ」と、母の話はいつもそこで終わったものであった。
われわれの世代は、両親から生々しい戦争の話を聞くことができた。
しかし、終戦時23歳の若者だった父は91歳。19歳の乙女だった?母は87歳である。
戦争体験者の話を聞けるのもそう長くはない。
体験者の生々しい話が聞けなくなると、感覚的に伝わることは減っていくのは必然である。
どう伝えていくべきなのか、それをわれわれが考えなければならない。
0 件のコメント:
コメントを投稿